「誰かと親しくなりたければ、自分の話を3か月してあげるよりも、相手の話を3時間聞いてあげなさい」

自己啓発本に書いてあるような、ありふれたコミュニケーションテクニック、恋愛テクニックです。

そして、確かに心理学的にみても、「聞き上手になること」は最も効果的な方法だと言えます。

しかし同時に、こうも思いませんか?

「そんな簡単に聞き上手になれるようだったら、最初っから苦労してねーよ」と。

実際にとても難しいのです。

自分が「興味がない」と思う話題に対して、
人間は「忍耐力」 を発揮することはできますが、「共感能力」を発揮することはできないのです。

聞き上手な人は、人から好かれますし、異性からもモテます。
しかし、聞き上手になるためには、相手の話に興味を持たなければなりません。

「うわの空のオウム返し」だなんて、付け焼き刃で小手先のテクニックを使われても、話している方は、ちっとも嬉しくないんです。

けれど安心してください。

「相手の話に興味を持つ」というのも、実はテクニックなんです。

人間は「脳のある領域」を使って他人に共感をしています。

そして、人間の脳内に存在する「共感」のメカニズムを駆使することで、
大して面白くもない相手の話に興味が持てるようになる
のです。

あなたは知りたくないですか?

無理せず自然に「聞き上手」になれるという、禁断の恋愛テクニックについて。

そしてそれは、相手に共感するという脳のメカニズムを利用したものです。

この記事では、心理学と脳科学の知識に基づいた「共感テクニック」について紹介しちゃいます!

聞き上手になるポイント

聞き上手になるポイントは、相手の話に興味を持ってあげることです。

しかしどのようにすれば、相手の話に興味を持ってあげることができるのでしょうか?

ここで重要になるのが、相手が「面白い話題の話をしているかどうか」ということよりも、
自分が「相手を好きかどうか」のほうが、実際は重要だということです。

例えば、好きなアイドルがいて、バラエティ番組に出ていたとします。

話しの内容は、確かにお笑い芸人の方が「面白い」かもしれません。
けれど、あなたは好きな「アイドルの話」の方に釘付けになるはずです。

人は「好意的な感情を持っている人」に対しては、自然と興味を持ち続けることができます。

なぜかといえば、好きな人に対しては、「共感する能力」が高くなってくれるからです。

裏を返せば、相手に「共感する能力」を高めることができれば、たとえつまらない話題だったとしても、興味を持って聞くことができるようになるのです。

心理学や自己啓発の本では、「傾聴」の大切さや、オウム返しのような表面的な技術については、 いくらでも書いてあります。

しかし、そもそも共感できなければ傾聴は難しいのです。

ところが、相手に共感する方法については、これまであまり述べられてきませんでした。

それは、人が「そもそもどうやって他人に共感しているのか」について、
明らかになってきたのが、ほんのつい最近のことだからなのです。

大雑把に言えば、共感とは「相手と同じ脳の状態になること」です。

そして、そこには特定の神経メカニズムが存在しています。

共感する脳のメカニズムについて簡単に理解し、そのメカニズムを駆使すれば、
これまでよりもずっと簡単に共感できるようになるようになるのです。

共感している脳の状態

「共感」しているときは、お互いの脳が同じような状態になることが知られています。

これは、ニューラル・レゾナンス(神経の共鳴)と呼ばれています。

人はニューラル・レゾナンスを通じて、お互いの連帯感を深めたり、相手との親密な関係を深めていきます。

例えば、誰かと一緒に歌を歌うと、その人と連帯感を感じて、仲良くなることができます。
それは、ニューラル・レゾナンスが起きているからです。

一緒にスポーツやゲームをやったりして仲良くなれるのも、 ニューラル・レゾナンスが起きているからです。

そして、相手の話を聞いて、自分のことのように興味を持つことができるのも、ニューラル・レゾナンスが起きているからです。

相手と「共同作業」をすれば、基本的にニューラル・レゾナンスが自然に起こってくれます。

ところが、面白くない相手の話に共感するという時は、少々違ったやり方でニューラル・レゾナンスを起こす必要があります。

相手の話を聞きながら、ニューラル・レゾナンスを起こすためには、ミラーニューロンという神経回路を活性化させる必要があるのです。

会話で脳を共感させる方法

会話をすることで脳を共感させるポイントは、ミラーニューロンという神経回路にあります。

ミラーニューロンとは、別名「ものまね細胞」とも呼ばれる神経細胞のことです。

例えば、他人が嫌そうな顔をしているのを目撃した時には、自分の脳にも同じように嫌悪感を感じる反応が起こります。

これがミラーニューロンの働きです。

例えば、好きな人が嬉しそうに話しているのを聞いていて、自分もなんだか嬉しい気分になってくるのは、ミラーニューロンの働きによって、
相手の「嬉しい」という感情を脳がコピーしているからです。

一般的に、相手に対して好意的な感情を強く持てば持つほど、ミラーニューロンが活性化し、相手に共感しやすくなります。

そして、相手の動作を模倣しようとすることによっても、 ミラーニューロンを活性化することは可能なのです。

「ミラーリング」という、よく知られた 心理テクニックがあります。

それは、相手と鏡映しにしたように、ぴったりと動作を真似ることによって、相手から好かれるようになるという心理テクニックです。

「ミラーリング」というテクニックを使うことで、ミラーニューロンを活性化させることが可能になるので、相手から好かれるようになるのです。

ところで心理学の本には、相手とぴったり同じ動作をすることが重要だと書いてあることもありますが、
神経科学の観点から言えば、それは正解とは言えません。

そもそも、ミラーリングには、「真似をしていることがバレると好感度が下がる」という欠点があるのです。

重要なことは、適度にミラーリングを行うことによって、自分の脳の状態を相手に近づけるということなのです。

この本質を見失って、ただ相手の動きを鏡映しに真似することが目的になってしまったら、それこそ本末転倒というものです。

「実践的なミラーリングのコツ」は、腕や足の動きといった「大きな動作」ではなく、「表情や声のトーン、呼吸などの微細な身体言語」を真似することです。

相手と同じ表情で、話している自分の顔をイメージしながら、相手の話を聞くようにしてください。

相手の表情を、注意深く模倣しようとすることで、相手の感情状態をコピーしやすくなるのです。

注意深く、意識を集中して、相手の表情や身体言語をよく観察することが重要です。

じっくりと観察することによって、ミラーニューロンが活性化するので、ミラーリングが自然にできるようになるからです。

結論:共感テクニックを使って、聞き上手になろう

聞き上手になろうと思ったら、共感能力を高くする必要があります。

特に人は面白くないと思ったり、嫌悪感情を抱くと共感能力が低下してしまうのです。

だからこそ、共感テクニックを使って自由に「聞き上手」になることができれば、周囲の人たち誰からも愛される素質を身につけることができます。

相手の話が「面白くないな」と感じたら、無理に「共感しよう」とするよりも、「相手の表情を観察すること」に意識を集中させたほうが良いです。

「ミラーリング」と「身体言語の観察」を注意深くを行うことで、ミラーニューロンが活性化されるので、共感能力を高められるからです。

最初は難しいかもしれませんが、練習を繰り返し、自在に共感能力を高めることができるようになれば、「相手の話に興味を持つ」ことは難しいことではなくなります。

重ねて言いますが、「相手に興味を持ってあげる」ことは、付け焼き刃で小手先の恋愛テクニックの何十倍も効果があるのです。

ただし、実際に相手からの「共感」を引き出すためには、第一印象などの「対人魅力」が不可欠なこともまた事実です。

人間には、嫌いな人への共感を妨げる「アンチミラーニューロン」なる神経システムがあるからです。

嫌悪感情を抱かれてしまったら、相手の共感能力が下がってしまうので、
いくら自分が熱心に話を聞いてあげたとしても、焼け石に水ということになります。

第一印象をよくしたい、相手に興味を持ってもらえるような話ができるようになりたいと思ったら、対人魅力を磨く実践的なトレーニングが不可欠です。