「別に。」

いつも打ち解けて、笑いあっていられた彼が、不意にそっけなくなる。

あなたは心配して、顔色を伺うとするのだけれど、彼は目を合わせようとしない。

「私、何か悪いことしたかな?」
「何か嫌なことでもあったのかな?」

しかし、何かあったの?だなんて問い詰めようものなら、よけい不機嫌になったり、だんまりになったり。

彼は、仕事のストレスなのか、他に悩みを抱えているのか、
あなたにちっとも打ち明けようとしません。

あなたの「寄り添いたい」という気持ちさえ無視するかのように。

そんなふうに、恋人や夫が「そっけない態度をとる」ということに、不安や悩みを抱える女性は少なくありません。

しかし裏を返せば、男性にとって「そっけない態度をとる」というのは、わりと日常的な行為なのです。

特に深い理由や意図があるわけではありません。

アメリカの心理学者ジョン・グレイは、「男性は火星から、女性は金星からやってきた」と、主著にて述べています。

ようは、男性と女性では、外国人どころか異星人ぐらいに異なった性質や文化を持っているのです。

女性が相手に対して、そっけなく、よそよそしくする時は、何か明確な「意図」があってそうします。

しかし、そもそも男性は「本能的に」そっけなくなりやすいのです。

だから、彼が少しばかりそっけない態度をしたからと言って、そこまで心配する必要はありません。

大抵は一過性のものなのです。

今回の記事では、女性には理解しがたい「男性がそっけない態度をとる理由」について、心理学の世界から解き明かしちゃいます!

男性がそっけない態度をとるのに、特別な理由は必要ない

女性がそっけない態度をとるときはどんなときでしょうか?

きっとそれは、何か意図や目的があってすることなのでしょう。

例えば、相手とさりげなく距離感を置こうとか、相手に対して水面下で静かに敵意を傾けるときなど。

そういう経験に見覚えのある女性であればなおさら、彼からそっけない態度を取られると、とても不安に心苦しく感じるのでしょう。

しかし、男性がそっけない態度をとる心理には、特別な意味がないのです。

なぜかといえば、男性と女性とでは脳の構造が違うからです。

男性は進化の過程で、そっけない態度を「本能的に」取りやすい脳を持つようになりました。

もちろん、どの程度そっけない態度を取りやすいかというのは、個人差があります。

生まれ持った遺伝子による気質の差や、育った環境、対人関係の経験によって、愛情表現の仕方や感受性が変化するからです。

ところで、「急にそっけなくなったり、親密になったりと態度がコロコロと変わる」場合には、「回避型」という他者と安定した愛着関係を築けない性格の可能性があります。

距離感が一定でなく、いつも振り回されたり、彼がよく自尊心を傷つけるような言葉を言ってくるような場合は、記事:急にそっけなくなる男性の心理?回避型の性格についてをご覧ください。

男性がそっけない態度をとるのは本能

男性は、太古の時代から、「競争社会」を生き抜いてきました。

野生の世界で、競争して、戦う上で、最も不必要なものは何でしょうか?

それは他人に同情する心、共感能力です。
相手の痛みに感情移入するようであれば、攻撃の腕は鈍ってしまいます。

相手の痛みに同情しているようでは、戦いに勝つことはできません。

それゆえ、あらゆる動物のオスは「そっけなくなる」ように進化してきました。

原始的な世界の配偶者選択のルールでは、基本的に、メスが選ぶ側にいるのです。

オスは、優秀なオスでなければ、メスから選んでもらうことができません。

メスは妊娠・出産という大きなリスクを負うので、確実に「優秀な遺伝子」を選ばなければいけないからです。

優秀でない遺伝子のために、どうして自分の命すら危ぶまれるような、妊娠・出産といったリスクを負うことができるのでしょうか?

自然の世界はシビアです。
綺麗事は通用しません。

自然界において、「愛」とは「強者の特権」です。

異性に自分の「優秀さ」をアピールできたオスだけが、自然界で生き残ることができました。

人間の男性も、原則的には同じなのです。

オスはメスの気をひいて、配偶の相手として選んでもらうために、
「縄張り争い」をしなければいけません。

動物のオスが「縄張り争い」をして、序列を作るように駆り立てる神経伝達物質「バソプレシン」が男性ホルモンによって強化されるのです。

バソプレシンが、ストレスに対して、自身の「縄張りを守るための行動」を駆り立てるようにします。

自分の縄張りにこもって、外界からの攻撃に備えようとします。

無口になって、自身の殻にこもり、そっけなくなるのです。

そっけない態度の背後には、「優劣」の意識

「進化」が男性という生物に「競争」をもたらしました。

男性の中に眠る、競争本能や闘争本能は、きっとこれから先、どれだけ文明が進んだとしても決して消えることはないでしょう。

それぐらい、人間の遺伝子の中に深く組み込まれているのです。

男性は、「序列」を大切にします。
序列とは、「強さの順序」のことです。

常に、自分が強い存在であるか弱い存在であるか、そんな立ち位置を気にするのです。

だからこそ、なんらかの不安や緊張がある場合、男性は他人と距離を置こうとすることがあります。

自分が劣っていると思われたくない。
自分を信頼してくれている人にさえ、弱さをみせたくない。

そんな「優劣」の意識は、男性の心や本能に染み付いてしまっているのです。、

特に、太古の原始時代では、愛とは戦って手に入れるものでした。

愛とは、等しく平等に誰にでも与えられるものなどではなく、
「強者のみが独占することのできる特権」だったのです。

だからこそ、男性は愛している女性に弱さを見せたくないのです。

あなたが大切な人であればあるほど、自分の弱さを見せたくないのです。

好きな人にとって、「一番強い男性」でありたいのが、男心です。

あなたが、好きな人から「一番愛される女」でいたいと思うのと一緒の心理なのです。

そっけなくなる心理は、「縄張り」にこもりたいから

男性はストレスが溜まったり、何か辛いことがあったりすると、自分自身の心の中の世界にこもろうとします。

それは彼らにとって、言い方を変えれば「縄張り」です。

誰にも立ち入ってほしくない、聖なる領域なのです。

そして男性は、自分自身の内側の世界の中で、静かに不安を克服しようとする「問題解決モード」になります。

「誰かに悩みを打ち明ける」などということは決してしません。

こんな時に「悩みを聞いてあげよう」とするのは、男性にとって逆効果なのです。

なぜかといえば、バソプレシンという「縄張りホルモン」が男性の脳内で働いていて、ストレスに対する緊張や不安感、警戒心を高めているからです。

これが女性が感じやすい「愛情ホルモン」とは真逆の働きをしています。

問いつめられれば問いつめられるほど、心配されれば心配されるほど、
不安や緊張が大きくなってしまうのです。

だからこそ、周囲の人は「何事もなかったかのように」そっとしておくのが一番です。

警戒心が高まっているのだから、「警戒すべきことなど何もない」と言わんばかりに、目の前で安心していてほしいのです。

彼が「縄張り」から出てくるまで、そっとしておいてください。

なにごともないように。
ただ優しくほほえみながら、待っていてほしいと彼も思っていることでしょう。

例外:駆け引きでそっけなくする男性には要注意

ところで、例外として、相手との距離感がうまく作れないから、そっけなくしてしまうという男性もいます。

恋愛経験の希薄さからくる場合もありますが、そうではない場合は「駆け引き」をけしかけているとみても間違いないでしょう。

そして、そういった駆け引きには、「興味をひく」ための駆け引きと、「相手を情緒不安定にさせて支配する」ための駆け引きの二種類があります。

冒頭でも少しだけ触れましたが、「急にそっけなくなったり、親密になったりと態度がコロコロと変わる」男性は、「回避型」と呼ばれる愛着スタイルを持っています。

そして、回避型の男性は、常に「興味をひく」ための駆け引きと、「相手を情緒不安定にさせて支配する」ための駆け引きを、交互にけしかけてきます。

彼らの特徴は、振る舞う態度が一貫しておらず、近づいたり離れたりと、あなたとの関係を常に不安定にするということです。

回避型の男性との恋は、多くの場合、実りある経験にはなりません。
彼らはいつもあなたの自尊感情を傷つけてしまうからです。

繰り返しになりますが、距離感が一定でなく、いつも振り回されたり、彼がよく自尊心を傷つけるような言葉を言ってくるような場合は、記事:急にそっけなくなる男性の心理?回避型の性格についてをご覧ください。

結論:「そっけない態度」には、「さりげない愛情」を

女性がするようなふれあいや密着を「ベタベタして気持ち悪い」と言う男性は少なくありません。

それは男性ホルモンや、生まれ育った環境の影響によるものと考えられます。

「縄張りホルモン」の働きや、馴れ合いを嫌う価値観が強化されているのです。

そして、男性がそっけなくなるのは、「緊張」や「不安」を見せたくないからです。

男性は、太鼓の原始時代を生き残ってきたオスとして、「弱み」を見せない本能があるのです。

もしあなたが、彼からそっけない態度を取られたときは、彼に「安心感」を与えるように心がけてみてください。

難しいことを考える必要はなく、やさしい笑顔で、「何事もない」ように振る舞ってみせればいいのです。

悩みの相談に乗ってあげようとして、火種を大きくしてはいけません。
励ましの言葉さえ必要ありません。

やさしい顔でほほえんで、あたたかくやわらかい声で、さりげなく「いつも通り」に接してあげればいいのです。

ただ寄り添ってくれる誰かがいるよりも、
自分を信じて待ってくれる大切な人がいるときの方が、男性は心から強くなれます。

あなたは少しさびしく思うかもしれませんが、彼が「縄張り」から帰ってくるまで、信じてそっと待ってあげてください。

問題を解決したのなら、彼はきっといつものように、あなたの元に戻ってくるはずです。