片想いなら、告白しない方がいい?

どうしても気になっている人がいる。
好きで好きで仕方がなくて、想いを打ち明けたい人がいる。

自分が片想いしているのは明白で、けれど、彼女にそれを伝えてしまったら、関係性が壊れてしまいそうで。

胸が引きさかれそうで、苦しくて寂しい思いが募っていくたびに、あなたは玉砕覚悟で告白しようかと考えるときがあるかもしれません。

しかし、一つだけ言っておきます。

「当たって砕けろ」精神では、本当に当たって砕けてしまいます。

「告白してみなければわからない」のは、アニメやドラマの世界だけです。

実際には、告白する前から答えはもう決まっています。
男性が女性に告白するのと、女性が男性に告白するのでは、進化心理学的には「意味が違う」のです。

もしもあなたが「かわいい女の子」であれば、告白すれば好きになってくれるかもしれません。

しかし、あなたは「男」です。

恋愛初期において、男性が女性を評価するのは、女性が男性を評価するのとは真逆です。

男性は恋愛にポジティブなのですが、女性は恋愛にネガティブなのです。

女性の恋は「減点評価」

女性は、恋愛初期においては、基本的にネガティブです。

それは、男性と女性とでは、恋をするリスクが断然に異なるからです。

ハッキリと言えば、男性と女性では性行動に伴うリスクやコストがあまりにもかけ離れています。

女性は卵子を一生で400個ほどしか作ることができません。

しかし、男性の場合は話が違います。
あなたがここまで記事を読むのに費やした2分間の間に、なんと40万個もの精子が補充されているのです。

それから女性は、9カ月間もの間、お腹の中で赤ちゃんを育て、命がけで出産します。
その上、1~2年にわたって授乳という多大な投資をしなければなりません。

しかし、男性は子供を作るのに一時間もあれば十分です。

そして、自らの命にかかわるようなリスクは一切ありません。

そのような生物学的差異が、男性と女性との間で、恋愛に対する態度の違いを生み出しました。
ちなみに、男性的な恋と女性的な恋の違いについては、東條先生の恋愛講座第1講でも紹介しています。

男性は、確実に遺伝子を残すために、数を打てば当たる精神のもと「質より量」を重視するようになります。

しかし、女性は、優秀な遺伝子を持つと同時に、自分と子どもに寄り添ってくれるような「強くて優しい」配偶者を慎重に選ばなければなりません。

そのため、男性を選り好みし、相手が自分にふさわしいかどうか厳選するようになります。

男性は、恋人候補の相手に対して、「あわよくば精神」のもと加点評価で判断するようになります。

一方で、女性の場合は、確実性を期すために、恋愛相手としての魅力を減点評価で採点するようになるのです。

そして、「相手が自分のことを異性として意識している」と感じれば感じるほど、減点評価式の採点基準はシビアになっていきます。

女性は一般的に、男性を異性として意識すればするほど、性的な接触を忌避する「女性的防衛本能」(私が命名しました)のセンサーがどんどん鋭敏になっていくようです。

そして、女性的防衛本能のセンサーに引っかかることによって、あなたの好意度は上がるよりも、むしろ下がりやすくなります。

以上をふまえて、よく考えてみてください。

男性が女性に対して、玉砕覚悟で告白するメリットはなんでしょうか?

「異性として意識してもらう」ことは、「今から面白い一発ギャグをやります」と言って、わざわざ自分からハードルを上げに行くようなものです。

女性が「一途さ」に惹かれるのは、実は少々特殊なケースなのです。
そのためには、いくつかの条件が必要になってきます。

ハッキリと言いますが、向こうが自分に対して脈アリのとき以外は、「好きだ」とは絶対に伝えない方が得策です。

しかし、あなたはこう思われるかもしれません。
「でも、このままじゃ友達止まりじゃないか」と。

では、逆に聞きます。

友達止まりなのは、異性として意識されていないからでしょうか。

反対に、異性として意識されれば、友達以上の関係になれるのでしょうか。
もっとそれ以外の別の理由はないのでしょうか。

「男友達」と「恋人候補」は本当に別物なのか?

「友達としてはアリだけど、恋人とは思えない」みたいな女子の発言を聞くと思います。

よくある、良い人どまりの男性が告白を断られる代名詞のようなセリフですね。

これは、社会心理学的には調査がされていて、統計の結果、女性の方が男性よりも「友達なのか、恋人なのか、好意や関係性をはっきり区別する」ということがわかっています。

つまり、男性は仲のいい女友達でも、「脈アリかどうか」を無意識的に視野に入れているのに対し、女性は「一度、男友達になってしまうと、相手を男友達として見続ける」と解釈することができます。

そして、以上の社会心理学的な知見をふまえると、大半の本やサイトでは、こぞってこう言うでしょう。

「男友達と思われるからダメなんだ!モテる男としてふるまえ!」と。

しかし、実はこれは大きな落とし穴なのです。

あくまでも、「女性は一度、男友達になってしまうと、相手を男友達として見続ける」というのは統計学的な調査の結果に対する、一つの解釈の仕方にすぎないのです。

以下はあくまでも自論になりますが、進化心理学的な考え方をすると、かなり異なった見方をすることができます。

繰り返しになりますが、女性は、恋愛初期においてはネガティブです。
それは、慎重に相手を吟味してからパートナーを選ぶ必要があるからです。

だとすれば、「恋人候補」の男性を何人も周囲に置いておく方が、厳選の過程では優位に立つことができます。

しかし、人間は非常に高度な社会を形成しています。

女性の周りにいるすべての男性が「恋人候補」として関係が成り立っていくとすれば、常に男女関係の小競り合いや、いさかいが絶えないことになります。

すると、社会を安定させることは極端に難しくなってしまいます。

そこで、女性は本命以外の男性を「男友達」という関係性に落ち着かせることによって、実質、「恋人候補」を何人も持つことができるようになった、というのが私の仮説です。

つまり、女性にとって親密な「男友達」は、同時に「恋人候補」でもあります。
ただし、普段は「恋愛対象」ではなく、「友達」であり、恋愛感情を持つことはありません。

しかし、普段は「友達」としての感情を抱きながらも、恋人との別離や失恋など、状況が変わったときには、「友達」から「恋愛対象」へ昇格させます。

一言で言えば、「時と場合によって友情と恋情を無意識的に切り替える」という心理メカニズムを女性は進化する過程の中で獲得してきたのです。

「友達以上恋人未満」という言葉で示唆されるように、「男友達」というのは、恋人に至るまでのプロセスなのです。

しかし、そのとき「恋愛対象」かどうかは、その女性を取り巻く状況次第で変わります。

その女性が「恋人」を必要としており、かつ、あなたがその女性の周囲の男性よりも魅力的であれば、あなたは「恋愛対象」に昇格することができます。

しかし、相手が恋人を必要としていない、あるいは、他に魅力的な男性が何人もいるという場合には、どうあがいたところで「男友達」のままであり、恋愛対象にはなれません。

極論を言えば、恋愛において最も重要なものは、どれだけ相手のことを思っているかとか、自分がどれだけ魅力的かといったことではありません。

結局のところ、恋は環境が生み出すものです。
恋を成功させるためには、タイミングの方が重要になってくるのです。

どれだけ親密になったとしても、恋に発展するときはするし、発展しないときは発展しない。
このことをよく覚えておきましょう。

おわりに

  • 女性は配偶者選択のリスクを減らすために、恋愛初期では減点評価
  • 告白することで、「女性的防衛本能」が強くなり、ハードルが上がってしまう
  • 女性は、自身を取り巻く環境に応じて、「男友達」を「恋愛対象」に昇格させる
  • 相手の状況次第では、どうやっても男友達のままであり、恋愛対象にはなれない

以上、片想い男子が玉砕覚悟で告白しない方がいい理由について解説してきました。

最後に少しだけアドバイスになりますが、どうしても諦めたくなければ、まずは精神力を鍛えましょう。

情緒安定性が高く、親切知的な性格は、短期的な関係ではあまり有利ではありませんが、長期的な関係や恋愛では、親密な関係を維持しやすいことがわかっています。

絶えざる嫉妬の感情に身を焼き尽くされそうになると思いますが、マインドフルネス瞑想慈悲の瞑想に取り組むことによって、脳を鍛えるようにするとよいかもしれません。

それから、男友達という立場をふんだんに使って、「よき理解者」を目指しましょう。

相手に「安心感を与える存在」になることです。
そして、「安心感」を利用して、できるだけ、物理的に近くにいることが重要です。

近くにいたら、「相手が恋人を欲しいと思うタイミング」を逃さないでください。

そのときに、デートに誘ってみたり、さりげなく肩に触れてみたりと、異性としての親密な関係性を深めていけばよいのです。

以上、ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
あなたにとって素敵な恋であることを心より祈っております。