恋愛とは、対人関係能力をすべて駆使して行うものです。

自分にどれだけ恋の機会が与えられるかというのは、つまるところ、あなたがどれくらいの対人関係能力を持っているのかと言い換えても過言ではありません。

では、対人関係能力を高めるためには、何を気をつけるべきなのでしょうか?

「人と仲良くなるために何が必要か?」

あなたは、果たしてどれくらい、その問いに答えることができるでしょうか?

今回の記事では、心理学的な知見をもとに、誰とでも仲良くなれる4つの基本的なルールを紹介します。

仲良くなるとは?

まず手始めにハッキリと言いますが、誰とでも仲良くなることはそう難しいことではありません。

しかし、誰とでも仲の良い関係性を維持することは、難しいことです。

人は、人から好かれるように振る舞えば人から好かれますし、人から嫌われるように振る舞えば人から嫌われます。

しかし、人から好かれるように振る舞い続けるのは、とても心が疲れてしまいます。

加えて、好かれるように振る舞い続けるだけでは、すれ違いで絆が壊れてしまうこともあります。

仲の良い人間関係を作ることは難しいものではありません。

ですが、人間関係は、作ってからが本当の勝負なのです。

仲の良い関係とは作るよりも、維持する方がずっと大変なのです。

なので、「一緒にいて楽しくない」と思うような、維持するのが難しい相手に対しては、あまり使わないことをオススメします。

人と仲良くなる4つのルール

では、人と仲良くなるためには、具体的にはどのようなことをすればよいのでしょうか?

以下の4つさえ、満たしていれば基本的に人は仲良くなれます。

  • 近接性・単純接触
  • 自己開示
  • 返報性
  • 類似性

では、順番にみていきましょう!

近接性・単純接触

「近接性」とは、読んで字のごとく、どれだけ相手と近くにいるかということです。

たとえば、マサチューセッツ工科大学の学生寮で行われた調査では、自分の住んでいる部屋と物理的に近い距離の人とほど、良好な関係を築いていたことが明らかになりました。
 
相手と物理的にどれだけ近くにいるかというのは、人間関係の基本です。

好意も敵意も、距離の近さがあってはじめて生まれ、育まれるものです。

人間関係というものは、純粋に物理的距離から影響を強く受けるのです。

関係を深めたい人ほど、近くにいなければいけません。

私たちは時として近接性を軽視しがちです。

しかし実際には、近接性こそが人間関係を形作る最も重要かつ基礎的なルールなのです。

そして、人間関係が始まったばかりで、あなたがすべきことは、「単純接触」です。

簡単に言えば、ひんぱんに顔をあわせましょうということです。

ザイアンスという心理学者が行った、とても有名な心理学実験があります。

ザイアンスは、ミシガン州立大学の卒業アルバムを使って、実験対象者に好意度を尋ねます。

そこで、対象者に、一方の人物の写真は数多く見せ、他方の人物の写真はあまり見せないというふうにしました。

その結果、目にする回数が増えるほど、写真の人物に対する好意度は高くなりました。

つまり、相手に対して、特別に好意的に振る舞わなくても、繰り返し顔をあわせることで確実に好意度は高くなっていくのです。

だから、「機会があれば、とにかく出席する」という精神が特に最初は重要になってきます。

ただし、ザイアンスの研究では、接触回数が10回以上になると、それ以上は好意度が高くならなくなることがわかっています。

単純接触効果は、関係の初期ほど効果が発揮されますが、それだけでは決定打に欠けるのです。

そこで、次のステップが重要になります。

自己開示

自己開示というのも、とても有名な心理学の概念です。

自己開示というのは、簡単に言えば、自分のプライベートな情報を相手に話すということです。

自己開示については様々な研究があります。

そして、自己開示の深さと信頼関係には相関関係があるというのが、自己開示における研究では、一致して述べられています。

つまり、自分についての情報をお互いに話し合うことで、人は親密な関係を築いていくのです。

しかし、ただ闇雲に自己開示すればいいかというと、そうではないです。

まず、自己開示は、関係性が深くなるにつれて、徐々に内容を深くしていくことが重要です。

当たり前のことかもしれませんが、会って最初のうちから、深刻な重い身の上話などされたら、誰だって嫌でしょう。

それから、「返報性」や「類似性」という二つの心理テクニックを組み合わせることで、自己開示はより効果的に威力を発揮することになります。

返報性

返報性というのは、簡単に言えば、「お返しをしなきゃいけない」と思う心理のことです。

この返報性には、「好意の返報性」と呼ばれるものも含まれます。

つまり、人は相手から好かれていると思うときに、自分も相手を好きになろうという、お返しをしようとするのです。

ただし、これは「自分も相手に同じものを返さなきゃならない」という一種の社会的圧力にもなります。

なので、「相手が返せるようなやり取り」を意識する必要があります。

到底返せないような、重たいものだと後ろめたくなり、関係性が徐々に気まずくなっていくからです。

そして、CDや本など、何か物の貸し借りをするのは、古典的ですが効果的な手法です。

これは、物のやり取りをするだけでなく、実際には好意をもやり取りしているのです。

こういった好意の返報を繰り返すことで、徐々にお互いの好意度や親密度は高まっていきます。

また、自己開示にも返報性は働きます。

簡単に言えば、相手が話してくれた分、自分も「話さなければならない」と無意識的に感じるようになるのです。

だからこそ、自己開示はキャッチボールであることが重要です。

相手が受け取れない重い球のような自己開示を最初からするのはナンセンスです。

相手が受け取って、返せるような軽い自己開示から始めて、徐々になじんできたら、少しずつ深い内容の自己開示を行えばよいのです。

類似性

類似性というものは、人と仲良くなるためには、最も重要な要素です。

なぜかと言えば、人は自分との共通点を通じて絆を深めていくものだからです。

「私は私と似た人を好きになる」というのは、対人魅力の社会心理学でよく言われる原則です。

一般的に、自分と相手との類似性が高くなればなるほど、相手への好意度が高くなるということが、数々の社会心理学の調査から明らかになっています。

ただし、類似性については、似ていることで好感度が高くなるものと、そうではないものがあります。

まず、性格は似ていても、似ていなくても好感度にはあまり影響がありません。

しかし、趣味や好きなスポーツチーム、信仰している宗教や、支持している政治団体など、価値観が一致していると、人は相手に対する好意度が高くなります。

これを、態度の類似性と言います。

簡単に言えば、人は性格よりも価値観が一致している人を好きになるのです。

なので、会話の中では、「価値観の似ているところ探し」をしていくことが、親密度を高める上での最重要ポイントとなります。

そして、類似性というものは、結局のところ主観的なものです。

なので相手と違う意見があったとしても、そこに共通点を提示することができれば、意図的に類似性を高めていくことができます。

たとえば、相手が「犬好き」で自分が「猫好き」だったとします。

それでも、「ペットを飼いたいと思っている」という共通点を見つければ、同じ価値観を持っているということになります。

そして、ペットを飼いたいと思う理由など、より内面的な部分で共感を得ることができれば、態度の類似性を高めることができます。

自己開示も同様に「類似性」を深めていくことが重要になります。

相手の価値観と相反するような自己開示は、やればやるほど好感度が下がりやすくなります。

おしゃべりな人で嫌われるのは、実際には「相手の話を聞かない」からではありません。

「相手の価値観とは異なる自己開示」を延々と繰り広げるから、嫌われてしまうのです。

会話に不慣れな人は、スマホのメモ帳などに「相手の価値観」を事前に書いておき、自己開示の話題をストックしておくと良いかもしれません。

まとめ

「近接性・単純接触」「自己開示」「返報性」「類似性」という4つは、とても基本的なルールです。

そして、自分が相手と仲良くなるためには何が必要なのかを明確にしてくれます。

まずはじめに、あなたは相手と物理的に近くにいることが重要です。

相手に対する好意や敵意といったものは、ある程度の距離の近さがあって初めて生まれるものだからです。

そして、顔をあわせる回数をできるだけ多くします。

顔をあわせることで、好意度は自然と高まっていきます。

それから、自分のプライベートな情報を少しずつ話すようにします。

そして、自分が話した分、相手からも同じだけのプライベートな情報を聞き出すようにします。

自己開示のやり取りを続けていく中で、時間をかけて内容を少しずつ深いものにしていきます。

何気ない話から、深い個人的な価値観をお互いに話し合っていくようにするのです。

そして、自分たちの価値観がどのように似ているのか、共通点を提示しながら会話を深めていきます。

以上の4つのルールに従いさえすれば、人と仲良くなるのは簡単なことでしょう。

逆に、どうもうまくいかないというときは、4つのルールで欠けている部分がなにかあるとみればよいのです。

以上、誰とでも仲良くなれる4つのルールについて述べました。
ただ、言うは易し行うは難し、とはよく言ったものです。

実際に人と仲良くなるということは、自転車に乗るのと似ていると私は思います。

人と仲良くなる方法について、知識として知っているだけではできるようにはなりません。

また、自分の身のたけにあった人と仲良くなるということも重要です。
そうでなければバランスを崩してしまうのです。

以上、ここまで読んでくださってありがとうございました。
あなたにとって素敵な恋があることを心から祈っております。