茉奈と東條先生と恋愛心理学

茉奈
東條先生、こんにちは。お久しぶりです

東條先生
茉奈ちゃん、こんにちは。元気にしてましたか?

茉奈
はい!ところで、東條先生、今なんの本を読んでいたんですか?

東條先生
これかい?ちょっと言いづらいんだが、実は恋愛心理学の本を読んでいてね…

茉奈
恋愛心理学!?東條先生も恋愛でお悩みなんですか…?

東條先生
いや、私は今発達障害や不登校児童に対する支援活動を行っていて、最初は青年期の自我発達や愛着関係について色々と調べていたんだ。
それから調べていくうちに、人はそもそもどんな恋愛をすれば人生が豊かになるのか、について純粋に興味を持ったんだよ

茉奈
でも、それって考えてなんとかなるものなんでしょうか?
恋っていうのは、やっぱり理屈じゃないと思うんですけど

東條先生
ははは。確かに、茉菜ちゃんの言うとおりだね。
ところで、恋をすると、人間の脳はどのようになるか、茉菜ちゃんは知っているかい?

茉奈
うーん、分かりません。。

恋をすると、人間の脳はどうなるのか

人間の脳というものは複雑なものです。
しかし、単純化して考えると、主に感情を感じる扁桃体感情をコントロールし、物事を論理的に考える前頭前皮質という脳の部位があります。

結論から言うと、人間は恋をしている間は、感情的になり、冷静にものごとを考えられなくなります。

それは、感情を感じる扁桃体が活発に活動する一方で、感情をコントロールする前頭前皮質の機能が低下するからです。

前頭前皮質は、物事を批判的にとらえ、冷静に判断をくだす役割も果たしています。

だから、恋をしているときは、相手のことを客観的にみつめ、冷静に判断することが難しくなってしまいます。

ちなみに、母親が赤ちゃんを見ているときも、同様に前頭前皮質の働きが低下することがわかっています。

あれこれ批判的に論理的に考えて行動するよりも、赤ちゃんがどんな気持ちなのか、素早く感じとって対応した方が、赤ちゃんを助けるためには有利だからですね。

「恋は盲目」と昔から言われているとおり、恋をすると、冷静に批判的に物事を考えることも、感情をコントロールすることも難しくなってしまいます。

それは、感情を感じる脳が過敏になり、論理的に考える脳が鈍くなってしまうからという脳の変化からも裏付けることができます。




茉奈
なるほど!やっぱり恋は理屈じゃないってことですね!

東條先生
ああ。でも、だからこそ感情に振り回されるのではなく、目の前にいるたった一人の人とどう向き合っていくのかということが大切になると私は思うんだ。

茉奈
確かに、そうかもしれませんね。
私の友だちとかも、最初はすごく格好良くて優しかったけど、付き合ってみたら超自己中男だったって言って別れましたもん

東條先生
それは恐らく、お互い感情に振り回されてしまったからなのかもしれないよね

茉奈
そうかもしれませんね

まとめ

  • 脳には感情を感じる扁桃体と感情をコントロールする前頭前皮質がある
  • 恋が盲目なのは、扁桃体が活発になり、前頭前皮質の機能が低下するため
  • 感情に振り回されることなく、目の前にいる相手とどう向き合っていくかが重要
東條先生
ところで、茉菜ちゃんは今、好きな人とかいるの!?

茉奈
えっ…私ですか!?えっと、秘密です!秘密!

東條先生
そっか。じゃあ、深追いはしないことにしておくね




気づいてほしくないけれど、やっぱり気づいてほしいような。
そんな複雑な気持ちを感じながら、冷たいアイスコーヒーをあわててのどに流し込む茉菜なのでした。